ベトナムでの撮影について、最初にお伝えしているのがこれです。
撮影日の1か月前には、手続きに着手させてください。
短く感じるかもしれませんし、長く感じるかもしれません。この1か月の中身を分解します。
内訳
許可証の申請:約2週間
これは書類を出してから承認が下りるまでの期間です。中央と地方の二段階を通す必要があり、地方の処理が中央に上乗せされます。
ロケ地の選定と交渉:残りの2週間
候補地を出し、条件を確認し、費用を詰め、押さえる。ここは並行して進められる部分もありますが、申請書類にロケ地を書く以上、選定が終わらないと申請できません。
つまり、順番は「ロケ地を決める → 申請する」です。逆にはできません。ここが1か月という数字の根拠です。
短ければ、何が起きるか
日程が足りない場合、対応できないわけではありません。ただし、失うものが決まっています。
撮りたい場所を諦めることになります。
承認に時間のかかる施設を外し、早く押さえられる場所に組み替える。結果として撮れる画は変わります。企画書に書かれた画が撮れない、という判断を、こちらから提案することになります。
この判断を、企画側にとって最も不本意な形でせざるを得ないのが、日程が足りない案件です。
逆に、早すぎることはあるか
ありません。
企画が固まっていない段階でご相談いただいても、答えられることがあります。「この場所は撮れるか」「この時期は雨季か」「この画を成立させるには何日必要か」。企画書を書く前の段階で確認しておいたほうが、書き直しが減ります。
実際、企画の初期段階でご相談いただいた案件のほうが、当日の進行は明らかに安定します。
下見が必要な場合
事前の現地下見が必要な案件では、別途お見積もりをいただく形になります。
下見が要るかどうかは、撮る内容によります。既知のロケ地で撮るなら不要なことが多く、新規の場所で条件がシビアな場合は必要になります。判断は企画の内容を伺ってからになるので、ここも早めのご相談が効きます。
1か月が確保できない場合
それでも日程が動かないことはあります。実際、2023年の棋聖戦のときは、依頼を受けた時点で残り日数が通常の申請期間を下回っていました。
通ったのは、条件が揃っていたからです。日本で広く知られた棋士の対局であったこと、大手メディアが関わっていたこと、そして外務省の担当官と平時から関係があったこと。このうち一つでも欠けていれば、結果は違っていたはずです。
したがって、短納期を前提にした日程は組めません。例外が成立した事実は、次も成立する保証にはなりません。
撮影日が決まっている案件は、1か月前を目安にご連絡ください。それより短い場合も、ロケ地の組み替えで対応できることがあります。まずは日程と撮りたい内容をお聞かせください。
許可全体の流れについては[ベトナムでの撮影許可、どこに何を出すのか]にまとめています。
ベトナムでの12年について、Kindleで一冊書いています。法人の設立と清算、政府との交渉について、より詳しく触れています。
