撮影使用料は、場所によってここまで違う

投稿者 Taka | 9月 23, 2026 | コーディネート

ベトナムでの撮影費用を見積もるとき、読みにくいのが施設の使用料です。

 

宿泊費や人件費は事前に計算できます。使用料は、場所ごとに桁が変わります。そして日本の相場感がほとんど通用しません。実例を出します。

公共施設は、経路で変わります

同じ施設でも、どこを通して依頼するかで結果が違います。

 

ベトナム外務省を経由して依頼した場合、使用料が発生しない公共施設があります。施設に直接問い合わせると別の回答になることがあり、経路の選択がそのまま費用を左右します。

 

これは値引き交渉ではありません。外国メディアの取材として正式なルートを通ったかどうかで、扱いが変わるという話です。現地の代理店に丸投げして施設と直接交渉させると、この経路が使われないことがあります。

駅は、請求されたことがありません

鉄道駅での撮影について、これまで費用を請求された経験がありません。

 

ただし、これは施設の責任者の運用によります。保証はできませんが、駅を「高くつく場所」と想定して企画から外す必要はない、とは言えます。

博物館は、用途で差がつかないことがあります

ホーチミンのある博物館では、商業撮影と現地のウェディング撮影とで料金に差がありませんでした。結果として、想定を大きく下回る費用で撮影できています。

 

日本では、商業利用かどうかで料金体系が分かれるのが普通です。ベトナムの施設が同じ考え方とは限りません。「商業利用だから高いはずだ」という前提で予算を積むと、過大になることがあります。

 

逆もあります。用途によらず一律に高い施設もあります。事前に確認する以外に方法はありません。

クラシックホテルの客室は、高くつきます

ここは明確です。

 

歴史的建造物であるホテルの客室は、使用料が大きく膨らみます。建物そのものに価値があり、撮影のために客室を止める機会費用も乗るためです。

 

クラシックホテルでの撮影が企画に入っている場合、ここは削りどころではなく、確保すべき予算です。他を切り詰めてでも押さえるか、企画ごと変えるか。どちらかの判断になります。

貸切は、必要とは限りません

費用が最も膨らむのが、施設の貸切です。

 

たとえばホテルのプールで人物を撮る場合、施設全体を借り切る必要があると考えられがちです。しかし人物にフォーカスする撮影であれば、他のお客様への配慮を徹底したうえで、貸切なしで撮影できた実績があります。

 

貸切が必要かどうかは、撮る内容と施設側の判断によります。広い画角で施設全体を写すなら他の客が入ります。人物を寄りで撮るなら、時間帯とスタッフの動き方の設計で成立します。

 

最初から貸切前提で見積もると、必要のない費用を積むことになります。ここを知っているかどうかで、見積もりの総額が変わります。

見積もりを比べるときに見る箇所

複数のコーディネーターから見積もりを取る場合、金額の総額だけでは判断できません。次を見てください。

 

  1. 施設使用料が、どの経路での金額か 外務省経由なのか、施設への直接依頼なのか。

 

  1. 貸切が前提になっていないか 貸切と書かれているなら、それが必須なのか確認する。

 

  1. 施設ごとに金額が分かれているか 一式でまとめられていると、どこが高いのか分かりません。

 

ロケ地の候補が出た段階でご相談いただければ、どこに費用がかかるかを先にお伝えできます。予算が先に決まっている案件では、その範囲で成立する組み立てをご提案します。

 

ベトナムでの12年について、Kindleで一冊書いています。法人の設立と清算、政府との交渉について、より詳しく触れています。

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Written By

中野崇之

写真家として30年、メディア業界に東京で20年、東南アジアで12年。香港2年、カンボジア1年、ベトナム9年の在住を経て、現在は東京を拠点に活動しています。

現場で大切にしているのは、クルー全員が撮影に集中できる状態を保つことです。予定どおりに進まない日もありますが、そのときに現場の空気を重くしないことが、コーディネーターの仕事だと考えています。

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